更新日:2025年12月15日 –
😟「奨学金と教育ローン、何がどう違うの?」
😰「将来、子どもに重い負担を背負わせてしまわないか不安」
💭「お金の話をどう決めるのが正解なのかわからない…」
進学を前に、多くの保護者の方が直面するのが
「学費をどう準備するか」という悩みです。
奨学金と教育ローン。
どちらも「学費のためのお金」ですが、
仕組みも、返済の責任も、心理的な影響も大きく異なります。
この記事では、公認心理師の視点から
制度の違いだけでなく、家族の心への影響も含めて、
後悔しない選び方を丁寧に解説します。
1.奨学金と教育ローンの基本的な違い
まずは全体像を整理しましょう。
| 項目 | 奨学金 | 教育ローン |
|---|---|---|
| 借りる人 | 原則:子ども本人 | 原則:保護者 |
| 返済者 | 子ども | 保護者 |
| 金利 | 低い(または無利子) | 比較的高め |
| 返済開始 | 卒業後 | 借入後すぐ or 在学中 |
| 心理的影響 | 子どもに負担感 | 家計への不安 |
この違いを理解することが、選択の第一歩です。
2.奨学金とは?【子どもが背負うお金】
奨学金(特に日本学生支援機構・JASSO)は、
学生本人が借り、卒業後に返す制度です。
主な特徴
- 第一種:無利子
- 第二種:有利子(上限あり)
- 在学中は返済なし
- 卒業後、長期間かけて返済
金利の低さは大きなメリットですが、
返済の主体が子どもになる点は、慎重に考える必要があります。
【公認心理師のコメント】
奨学金を利用した学生さんの中には、
「親に迷惑をかけたくない」「返さなければ」という責任感から、
強い不安を抱える方も少なくありません。
金銭的な仕組みだけでなく、心理的な負担にも目を向けることが大切です。
3.教育ローンとは?【保護者が背負うお金】
教育ローンは、保護者が借りて保護者が返すローンです。
主な特徴
- 借入先:銀行・信販会社・公的機関など
- 金利は奨学金より高め
- 返済開始が早い(在学中からの場合も)
「子どもに借金を背負わせたくない」という思いから、
教育ローンを選ぶ家庭も多くあります。
4.金利だけで決めてはいけない理由
よくある誤解が
「金利が低いから奨学金の方が良い」という考えです。
しかし実際には、
- 卒業後すぐに返済が始まる
- 就職が不安定な時期と重なる
- 結婚・出産など人生設計に影響する
といった、長期的な心理負担が生じることもあります。
5.家庭に合った選び方の考え方
以下の視点で整理してみてください。
✔ 家計に余裕があるか
→ 教育ローンを無理なく返せるか
✔ 子どもの進路・将来像
→ 卒業後すぐに安定収入が見込めるか
✔ 子どもの性格
→ 責任感が強すぎて自分を追い詰めないか
【公認心理師のコメント】
「どちらが正解か」ではなく、
「この家庭にとって、どちらが無理が少ないか」
という視点が、後悔を減らします。
6.奨学金+教育ローンの「併用」という選択肢
実は多いのが、
一部を奨学金、一部を教育ローンで補う方法です。
- 学費の基本部分:奨学金
- 入学金・初年度費用:教育ローン
このように役割分担すると、
負担が一方に偏りにくくなります。
教育ローンを検討する場合は、
金利や返済条件を比較してから判断することが重要です。
家計の状況に応じてFPに相談できるサービスもあります。

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まとめ|家族で話し合うことが何より大切
奨学金と教育ローンは、
どちらも間違いではありません。
大切なのは、
- 誰が返すのか
- どのタイミングで負担が生じるのか
- 心理的に無理がないか
を、家族で共有して決めることです。
お金の話は不安になりがちですが、
「話し合うこと」そのものが、
子どもの安心につながることも多いのです。