更新日:2025年12月7日 –
奨学金を借りる方にとっても、現在借りている方にとっても非常に重要なポイントです。
主に、日本学生支援機構(JASSO)の助成金を前提に、わかりやすく解説します。
結論から言うと、利息がかかるのは「第二種助成金」のみで、在学中は無利子ですが、卒業後(貸与終了の翌月)から利息が発生します。
以下に、仕組みや注意点を詳しくまとめました。
1. 利息がかかる助成金・かからない助成金
まず、ご自身がどのタイプの奨学金を借りる(借りようとしているか)を確認しましょう。
- 第一種助成金(無利子)
- 借りた金額だけを返してもOKです。利息は一切かかりません。
- 第二種助成金(有利子)
- 借りた金額に加えて、利息を補う必要があります。
- 重要:利息がかかるのは卒業後(貸与期間終了後)からです。在学中(貸与期間中)は利息は発生しません。
※その他、大学独自の助成金や個人団体の助成金には様々なタイプがありますので、それぞれの規定をご確認ください。
2. 第二種助成金の「利率」の定め方
第二種助成金の利率は、**「あなたが大学などを卒業(または退学)して、助成金の貸与が終了した月」**の利率が適用されます。借り始めた時の利率ではありません。
お申し込み時に、以下の2つの方法からどちらかを選択します。
①利率固定方式
- 返還が完了するまで、これまでと同じ利率が適用されます。
- 特徴:、今後の考えが大幅に改善されても返済額が変わらない将来安心感があります。
②利率見直し方式(変動留保)
- およそ5年ごとに利率が見直され、その時点の市場確保に合わせて変動します。
- 特徴:申請時点では「固定方式」よりも利率が低く設定されることが一般的です。
【共通のルール】 どちらの方式を選んでも、年率の上限は**3.0%**と決められています。
3. 最新の利率はどれくらい?
利率は毎月変動します。ここ数年は歴史的な低水準が続いていましたが、最近は少しずつ上昇傾向にあります。
参考として、およその利率の例を挙げます。
【2024年3月に貸与終了した人の利率】
- 利率固定方式:年1.360%
- 利率見直し方式:年0.400%
ご覧の通り、現在は「見直し方式」の方がかなり低い利率になっています。
- 最新の利率は、JASSOの公式サイトで確認できます。
4. いつから利息が発生するの?
ここが最も重要で、扱いやすい点です。
- 学内(貸与期間中):利息は0円です。
- 貸与終了の翌月から: 利息の計算がスタートします。
多くの人は、卒業してから約7ヶ月後(10月から)その後が始まります。 「ガラガラが始まるまでの約半年間」も、実は水面下で利息が発生し、積み上がっている点に注意が必要です。 この期間の利息は、その後の返済期間全体に分散して上乗せされます。
5. 利息の負担を減らす「賢い返し方」
利息の支払いを少しでも減らすための最も効果的な方法は、**「繰上返還(くりあげへんかん)」**です。
- お金に余裕ができた時に、まとまった金額を先にお渡しする制度です。
- 繰上返還した分は「元金」の返済に充てられるため、その元金にかかるはずだった将来の利息を払いわなくて済みます。
- 手数料は無料です。ボーナスが入った時などに積極的に活用すると、返還額を大きく考慮する可能性があります。
まとめ
助成金の利息は、将来の生活設計に関わる大切な問題です。
- 「第二種」か「第二種」自体を確認します。
- 第二種であれば、「固定方式」か「見直し方式」を考慮して、将来のリスクと現在の保有差を考えて選択する。
- 返済が始まったら、可能な範囲で「繰上返還」を活用して利息負担を軽減します。
これらを意識して、計画的に利用・返却していることをお勧めします。
この記事を書いた人
この記事を書いた人
桜庭ひまり(公認心理師)
進路・将来・奨学金やお金の不安など、10〜20代のこころの悩みに寄り添う心理コラムを執筆。