更新日:2025年12月10日 –
💭「布団に入ると、不安なことばかり頭に浮かんで眠れない…」
💭「明日のこと、将来のこと、お金のことを考えてしまって目が冴える…」
💭「眠らなきゃいけないのに、余計に不安が強くなる…」
そんな夜を、ひとりで何度も過ごしていませんか?
夜になると、なぜか不安が強まり、考えすぎて眠れなくなる。
この悩みは、高校生・大学生・社会人を問わず、とても多くの人が抱えています。
実はそれは「意志が弱いから」でも「気の持ちよう」でもありません。
脳と自律神経の仕組みとして、とても自然な反応なのです。
この記事では、公認心理師の視点から
- なぜ夜になると不安が強くなるのか
- なぜ布団に入ると考えすぎてしまうのか
- 眠れない夜にやってしまいがちなNG行動
- 今夜からできる具体的な対処法
を、やさしく・わかりやすく解説します。
夜になると不安が強くなる理由
夜は外からの刺激が減り、静かになります。
すると、日中は忙しさで押し込めていた「考え」や「感情」が、一気に表に出てきます。
特に夜は、
- 将来のこと
- お金のこと
- 人間関係のこと
- 失敗した記憶
などが、次々と頭に浮かびやすくなります。
これは「あなたが弱いから」ではなく、脳が“静かな時間=考える時間”と認識するために起こる自然な現象です。
布団に入ると考え過ぎる脳の仕組み
眠ろうとするとき、脳は「休もう」とする一方で、
不安を感じていると「危険がないか確認しなければ」と警戒モードに入ります。
これがいわゆる “思考の暴走” です。
- 「もし明日うまくいかなかったら…」
- 「このままで将来大丈夫かな…」
- 「奨学金、返せるのかな…」
こうした“もしも思考”が止まらなくなると、
脳はますます興奮し、眠る準備ができなくなってしまいます。
不安と自律神経・睡眠の関係
不安が強いと、体は「戦う・逃げる」モード(交感神経優位)になります。
この状態では、
- 心拍数が上がる
- 呼吸が浅くなる
- 筋肉が緊張する
といった反応が起こり、眠るための“リラックスモード(副交感神経)”に切り替わりにくくなります。
つまり、
不安が強いほど、体は「眠ってはいけない状態」になってしまうのです。
眠れない夜にやってしまいがちなNG行動
不安で眠れないとき、ついやってしまいがちな行動があります。
- ベッドの中でずっと考え続ける
- スマホで延々とSNSやニュースを見る
- 「早く寝なきゃ」と自分を責め続ける
- 明日の失敗を何度もシミュレーションする
これらはすべて、脳をさらに覚醒させてしまう行動です。
結果として「ますます眠れない悪循環」に入ってしまいます。
今夜からできる具体的な対処法5つ
ここからは、公認心理師として多くの方にお伝えしている
“眠れない夜の具体的セルフケア” をご紹介します。
① 不安は「考える」のではなく「書き出す」
頭の中だけで考え続けると、不安はどんどん膨らみます。
紙に
- 今不安なこと
- 明日やること
- 心配していること
を箇条書きで書き出してみましょう。
「頭の外に出す」だけで、脳は安心し、考える量が一気に減ります。
② ベッドは「考える場所」にしない
布団の中で考え続けると、脳は
「ベッド=不安になる場所」と学習してしまいます。
眠れないときは一度ベッドを出て、
- 間接照明の下で静かに過ごす
- 深呼吸をする
- ストレッチをする
など、「眠る以外の刺激を減らす行動」を挟むことが大切です。
③ 「今は考えなくていい時間」と自分に言ってあげる
不安は、「今すぐ解決しないと危険だ」というサインです。
でも、夜中にどれだけ考えても、良い答えはほとんど出ません。
心の中でこう言ってください。
「この不安は、明日の自分に任せよう」
それだけでも、脳は少しずつ警戒モードを解除していきます。
④ 呼吸をゆっくり長くする
不安で眠れないときは、呼吸が浅くなっています。
次の呼吸法を試してみてください。
- 4秒で息を吸う
- 8秒でゆっくり吐く
「吐く時間を長くする」ことがポイントです💡💡
副交感神経が働き、自然と眠気が戻りやすくなります。
⑤ 「眠れなくても大丈夫」と許可を出す
「眠らなきゃ」と思うほど、脳は緊張します。
逆に、
「今日は眠れなくても、死ぬわけじゃない」
と自分に許可を出すと、不思議と力が抜けて眠れることが多いのです。
それでも眠れないときは
何日も眠れない状態が続くと、心も体も限界に近づいていきます。
- 食欲がなくなる
- 集中力が落ちる
- 何をしても楽しくない
- 朝起きるのがつらすぎる
こうした状態が続いている場合は、
「気合いで何とかする段階はすでに超えています」
医療機関や学校の相談室、カウンセラーに相談することは、
「弱さ」ではなく「回復のための大切な選択」です。
公認心理師からのコメント選択」です。
不安による不眠で悩む人の多くは、「眠れない自分」を責めてしまいます。
しかし不安で眠れないのは、あなたの心が「必死に守ろうとしているサイン」でもあります。
眠れない夜は、「今はつらい状態なんだ」と自分を労わることが、回復への第一歩です。
不安による不眠で悩む人の多くは、「眠れない自分」を責めてしまいます。
しかし不安で眠れないのは、あなたの心が「必死に守ろうとしているサイン」でもあります。
👉関連記事:「不安とは何か?不安の心理・脳の仕組み・対処法を公認心理師が完全解説」
👉関連記事:「不安・ストレス・睡眠の心理学|公認心理師がやさしく解説」
まとめ
不安で眠れない夜は、とても苦しく孤独に感じます。
しかしそれは、あなたの心と体が「必死に生きようとしている証」でもあります。
今日の記事のポイントは、
- 夜に不安が強まるのは脳の自然な働き
- 不安は自律神経を乱し、眠りを妨げる
- 布団の中で考え続けるほど眠れなくなる
- 書き出し・呼吸・考えない工夫が回復の鍵
- 限界を感じたら、相談することは「正しい選択」
です。
今夜、少しでも心が軽くなり、
あなたが安心して目を閉じられる時間が増えますように!